愛息を見ていて、感じることがある。

 

私は、母はこうであるべき、親はこうであるべき、家族とは、主婦とは・・・

という重圧に押しつぶされそうになった時期があった。

今でもたまにそのように感じてしまって、はっと気づかされるという場面も多くある。

 

初夏のころだった。

日中の気温も上がり、いよいよ衣替えの季節がやってきた。

 

今まで長袖だったものは半袖となり、そしてタンクトップとなり、

暑い時にはすぐ脱げるようにと上着は薄手のものとなり、季節とともに変わっていく。

 

というのが大人の感覚。

 

我が愛息は、どんなに暑くて汗だくになっていたとしても、長ズボンにハイソックス。

これが彼の中のお決まりのルールなのである。

 

母親である私から見たら暑くて熱中症になってしまうのではないかという心配と、

「今の季節はそんな格好はしないしおかしいよ!」

という、相手のこだわりを否定してしまうようなことを言ってしまったりもする。

 

そしてある時、息子の口からなぜ自分は長ズボンなのか、

なぜハイソックスなのかという理由を話す機会があった。

 

まず、ハイソックスにおいては

「短いと靴下が脱げそうになるんだよ~」

という理由があった。

 

長ズボンもいつも細身のスキニーを好んでいて、

もう少し薄地の風通しの良いズボンを履いたらどうかなと思うのが私の勝手な意見。

 

でも息子からしてみるとゆとりのあるズボンは、

落ちちゃいそうな感覚になるみたいで、ストレスになるらしい。

 

本人がストレスを抱えていることを母親である私の一存で

「大丈夫だよ」ということはあまりにも説得力に欠ける。

 

だって本人が嫌なんだもの。

 

とても不快な思いをしているんだもの。

 

30度もある炎天下の中、ハイソックスに長ズボンを履いていた息子は、

公園で遊んでいる間ずっとほっぺが赤くて、今にも熱中症になりそうな様子だった。

 

でも、本人はまだ快適という感覚の中にいるらしい。

 

もっと暑くなると自分から暑いと言って脱ぐみたいなので、

大人の目線で見ると、とても気を揉むけれども、

まあ本人がこだわってやっているのであればいっかな・・・とも思う。

 

そしてそれから数ヶ月が過ぎ、今は9月となった。

 

日中は30度近くある日もあるが、夜の風はすっかり秋を感じさせる。

 

今度は「上着を着たくない」が始まるのかしら。